総 評 審査委員長 山崎 真司
「免震構造・制振構造に関わる優秀修士論文賞」は日本免震構造協会創立15周年を記念して2008年度に創設され、今回は第2回目である。2009年度修士学位取得および取得予定者を対象として募集を行い、11編の応募論文があった。安全性および使用性の点で有利な免震構造、制振構造の普及およびその裏付けとなる活発な研究活動を反映して、応募論文は何れも学術的レベルの高いものであった。優秀修士論文賞の選定は本協会に設置された「修士論文賞審査委員会」(委員10名)が担当し、昨年と同様二段階選考により行った。一次選考では全員の委員が論文概要書に基づく評価を行い、その集計により6編の候補論文を選んだ。二次選考では各委員が6編の候補論文について本論文を読み、6編以外の本論文にも目を通した上で最終評価を行い、その集計により優秀論文3編を決定した。選考においては、論文の学術的水準とともに研究推進における著者の自立性と役割、また免震・制振構造の普及に貢献する可能性についても考慮した。優秀な論文を纏めた著者の今後の活躍を、また、本賞が若い人達の免震構造・制振構造に対する関心を高める一助となることを期待する。
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