免震・制振はもう古い??〜生き延びる建築・街づくり
賞 | 作品名 | 受賞者(敬称略、※主申込者) |
優秀賞 | 東京計画2014 受賞作品 (1) (2) |
松岡 舞※、森 雄矢(首都大学東京) |
優秀賞 | Vibration Reducing Bridge〜減振橋〜 受賞作品 (1) (2) |
大出大輔※、倉石雄太(明治大学大学院) |
佳作 | HASHIRA HOUSE 受賞作品 (1) (2) |
金子拓也※、大滝優人、杉窪宏哉、叶 錦春(日本大学) |
佳作 | 納豆制震〜密接に結びつく都市〜 受賞作品 (1) (2) |
中村亮太※、徳永勇人(熊本大学大学院) |
特別賞 | 災害と共に暮らす家−現代版ノアの方舟− 受賞作品 (1) (2) |
市川 緑※(高知工業高等専門学校) |
総 評
審査委員長 井上範夫
本コンペは学生を対象としたもので、まだ免震・制振技術を十分理解していない諸君に将来を期待してテーマを設定したものである。結果的には高専から大学院までの幅広い年齢層の応募があった。そのため、技術の具体性と提出図面の表現力に大きな差が生じたが、審査においては、アイデアとコンセプトを重視して選抜を行うこととした。テーマとして「免震・制振はもう古い」の後に?を二つ付けてあるのは、現在の技術をもう古いのではないかと一度見直して、その上で更なる展開・発展を望む気持ちを持たせたものである。また、個々の建築だけではなく、その集合体としての都市スケールまで考えて欲しいという意味も込めてある。免震・制振の枠を外し、地震以外の自然災害も対象としたので、地震の他、津波、土砂崩れ、火災、暴風、火山、積雪などが考慮された。しかし、地震国日本を考えると、地震災害への対応が中心であり、それに他の災害を加味したものが多かった。具体的には、災害全般7、地震のみ6、地震と津波2、津波2、土砂災害2の計19点の応募があった。
審査においては、各審査員が順位をつけずに3点を選び、それを総合して7点を選抜し審査員全員で1点毎に討議を行って順位を決めた。各種の自然災害と、個別の建築・都市という軸が交じりあったため、各提案は様々であり絞り込むのに議論を重ねた。また、空想的なアイデアで技術的な提案が全くなされておらず、評価の俎上に乗らないものも数件あり残念なことであった。
最終的には、都市・建築、免震・制振、津波、災害全般のキーワードを含むことができ、審査員の意見も一致して5点を選抜することとなった。なお、若年のため表現が見劣りするもののアイデアが評価できるとして、特別賞を1点追加することとした。
今回の応募者は学生であるため、技術的な裏付けが少ないものが多く、また、極めて斬新なアイデアとして目を見張るものはなかったが、この機会に、これから大いに免震・制振技術を学んでその発展に寄与してくれることを期待している。 最後に、本企画を実施していただいた、立道コンペ部会長をはじめとする委員の方々に御礼申し上げる。